ホットスポット。
ここで記すのは原発、放射能のことではない。
地球上で多くの植物が自生している場所をホットスポットという。
世界中で36箇所?・・・が認定されている。
現在農業で、園芸で作物育種の元になった野生植物、及びそれ以外の植物が、
多く自生しているエリアで、このエリアに植物の80%以上の原種が自生している。
つまり、18、19世紀頃までに、多くの植物はプラントハンターによって採取されたという事である。
ホットスポットの多くのエリアは「秘境」である。
大航海時代に入ると、プラントハンターによって、目ぼしい植物はハントされた。
シーボルトがアジサイ、鹿の子百合を・・・持ち帰ったのは有名なこと。
牧野博士より先に・・・ヒメサユリが・・・イギリスの植物輸入業者のカタログに記載、
球根が販売されたのは・・・あまりにも有名な話である。
プラントハンターの食指は・・・東洋の島国の・・・奥羽地方の僻地にまで及んでいたのである。
現在のように、飛行機の乗って・・・ランの自生地にゆくのとは・・・ジョウネツが異なる!
そういうことであるが、このホットスポットはなぜ生まれたか???
なぜ地球の陸上に平均しておおくの植物が自生していないのか???
この「ラン菌による炭素循環栽培法」は、このホットスポットから導いたものである。
ホットスポットに共通しているものは何か。
豊な「炭素循環」が行われていること。
そこには豊な「枯れ落ち葉」「植物死骸」が毎年生産されていること。
その枯れ落ち葉、植物死骸をエサ、栄養源とする生物、微生物が多く生息していること。
殆どのホットスポットには「菌根植物」である「ラン科植物」が自生している。
地球上に約26000のラン科植物が自生するが、そのお殆どは、
このホットスポットに自生している。
つまり、地球上で最も進化した植物であるラン科植物は、
枯れ落ち葉、植物死骸の炭素循環の中で進化し、生き続けてきた植物であるという事が出来る。
究極の姿として葉を具備しない・・・ラン菌に全てを依存して生きる「腐生ラン」まで進化。
光合成も炭素循環であるから・・・枯れ落ち葉を利用するのも・・・
形こそ違うが・・・光合成の変形・・・
ラン科植物の進化は光合成を拡大解釈する・・・シタタカナ生き方まで編み出した。
ホットスポットのエリアではラン科植物は「負け組み植物」である。
光の争奪戦では他の植物に勝てない。
枯れ葉というのは・・・別な見方では光のおこばれである。
なぜなら、枯れ葉のリグニン、セルロース、ペクチンは光合成で作られた高分子の糖。
この糖をランの根は分解吸収できない。
ラン菌(材木腐朽菌)に分解してもらい・・・おこぼれの糖を頂戴して生きている。
ところが、近年、このオコボレ頂戴は、菌根植物のみでなく、
光独立自養植物でも内生菌を介して行われいるという研究が出てきた。
水耕栽培では・・・・7000年の屋久島の大王杉は・・・作れない・・・という事である。
風雪、猛暑を凌ぐ・・・別なシステムがあるのではないかという見方である。
ホットスポットには・・・微生物という地下のネットワークが構築されているということ。
自生地は植物にとって優しくはない。
過酷である。
原発事故で・・・それまでは電気を使え、使えと言って来たのに、
事故一つで・・・今度は手のひらを返すように・・・電気を使うな、使うな・・節電。
そういうことで・・・電気のない時代に夏の、冬の過ごし方を・・・考えなければならない。
これと同じことが、植物には毎年、当たり前のように起こっている。
自然界には寒い冬に温かくして、熱い夏に涼しく・・・
そういう自然に逆らった生などない。
冬は寒く、夏は暑い・・・猛暑もあるのが当たり前。
それを凌ぐ・・・・何かがある・・・・ホットスポットには・・・・。
枯れ落ち葉と・・そこに生息する微生物。
炭素循環と窒素循環。
ホットスポットにはこの二つの循環が豊に構築されている。
ここまで書けば、ラン菌の生息しない水ゴケ、バーク、軽石でのラン栽培が、
いかに自生地乖離した栽培であるか理解出来よう。
これは農業にもいえることである。
無機化学肥料を与える作物栽培は、近年世界各地で土壌の荒廃をもたらしているのも、
当然なのかもしれない。
ホットスポット
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